【WRCラリー・ジャパン2023】唯一の日本人ドライバー勝田貴元がジャパンで見せた速さの真骨頂!

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2023年12月4日

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WRC(世界ラリー選手権)第13戦ラリー・ジャパン 2023が、愛知県豊田市を中心に11月16~19日で開催されました。トップカテゴリーのラリー1クラスでは、トヨタGAZOOレーシング(以下トヨタ)が1-2-3フィニッシュを果たし表彰台を独占。昨年ヒョンデに奪われた地元優勝に、見事リベンジを果たしました。

WRCの3つの年間タイトル、マニュファクチャラーズ、ドライバーズ、コ・ドライバーズをすべて独占したトヨタ。2023年は完璧なシーズンとなりました。日本人で唯一WRCに全戦エントリーしている勝田貴元(かつた たかもと)選手も、チームの一員としてタイトル3連覇に貢献したひとり。その勝田選手にスポットを当てて、「今年のジャパン」を振り返ってみました。後半ではトヨタの来季活動にも触れていますので、最後までお見逃しなく!

◆悪天候が不運を呼ぶ

昨年勝田選手は3位表彰台というリザルトを残したものの、チームが目指した地元勝利にはトヨタ勢の誰ひとりも届かず。ヒョンデ勢の1-2フィニッシュで終えたラリー・ジャパン。地元愛知県出身の勝田選手は、どのクルーよりも今年のこのラリーの勝利を狙っていました。その思いは、本格的な山岳ステージが始まったデイ2のオープニングステージ、SS2「イセガミズ トンネル」の走りで早速形になろうとしていました。

この日は予報通り朝から雨模様。しかも本降りどころか土砂降りと呼べるほどの降水量でした。日本のツイスティで狭い林道は、落ち葉が散乱していて滑りやすく、さらにウエットコンディションとなると難易度が劇的に上がります。

そんななか、どのクルーよりも速いタイムでステージ途中の計測ポイントを通過したのが、勝田選手でした。ラリー後のインタビューでは「前日のシェイクダウンで、ドライ、ウエット両方に使えるいいセッティングが見つかった」とコメントしていた通り、日本の道路に合わせた独特のセットが的中。スタートから10km近く進んだポイントでは、このステージトップタイムだったチームメイトのエルフィン・エヴァンス選手を10秒以上引き離すほどの速さを見せてくれます。最初のステージから、明らかに勝利を意識したスピードだとわかる、驚異的な速さでした。しかし、直後に悲劇が起きます。

左コーナーのあと数十mの短い直線を挟んだ右コーナーの区間でした。右コーナーはそんなにキツくもなく、比較的ゆるやか。しかし、予想だにしなかったハイドロプレーニングを起こしてしまいスピン。そのまま右フロントを道路脇の立木にヒットさせてしまいます。勝田選手はラリー後のインタビューでこの状況を「コーナーの間の直線区間に数メートルだけ新しい舗装部分があって、そこだけ水の乗り方が違ったのです。路面に浮いていた雨の量が多かったのでハイドロ状態になりました」と語っています。このアクシデントで、ラジエーターと右前サスペンションの一部が破損。そのステージはEVモードで走りフィニッシュまで辿り着きました。

国際映像では、勝田選手がラジエーターに水を補給している場面が映し出されました。その後のSS3もなんとか冷却水を補充しながら走りきりましたが、サスペンションの破損によりスピードは当然ながら出せません。この時点でトップのエヴァンス選手とは5分30秒差。優勝は絶望的となりました。不幸中の幸いか、続くSS4は豪雨のためステージキャンセルとなり、これ以上差がつかない状況で勝田選手もそのままサービスに直行することができました。

ちなみに、勝田選手がハイドロプレーニングに陥ったコーナーでは、ヒョンデのダニ・ソルド選手とMスポーツ フォードのアドリアン・フルモー選手もコースアウトし、この2台は復帰できずリタイアに終わっています。勝田選手は2台に比べれば、サービスに帰ってこられただけでも幸運でした。トヨタの優秀なメカニックたちが、わずか30分のサービスで修復に成功。見事、午後のループを勝田選手は走ることができたのです。

◆タカのワンマンショー開始!

ここから、勝田選手の快進撃がスタートします。ラリーという競技はSSと呼ばれる封鎖された公道の競技区間をいかに速く走るかを競うもの。世界最高峰のWRCともなると、文字通り世界最速の称号が与えられることもあります。デイ2の午後のセクションは、午前の3本をリピートするステージ。勝田選手はこのデイ2午後の3SSすべてでトップタイムを叩き出します。

雨は止み始めましたが、その代わり霧が覆い始めた豊田市の山間部。ウエット路面に視界不良が重なり本来のスピードが出せない状況で、勝田選手は世界最速で走り抜けました。チームメイトに現チャンピオンのカッレ・ロバンペラ選手と、8度のチャンピオンであるセバスチャン・オジエ選手のいるトヨタ陣営ですが、その2人ですら勝田選手のタイムには届かなかったということ。これがどれだけスゴいことかは、想像できるでしょう。

この日の夜、少しだけ勝田選手と言葉を交わしました。「サービスに戻ってこれて本当によかったですね」と声をかけると、本人は苦笑いを見せながら「悔しいですけどね」とひと言。SS2でのアクシデントがどんなに悔しかったかが、痛いほどわかる瞬間でした。

翌日のデイ3以降、勝田選手はデイ2での遅れを取り戻すべく猛プッシュ。快進撃は止まりませんでした。「もちろんプッシュはしていましたが、決して限界ギリギリのプッシュではなかったです。あくまでも余裕は残しながらの走行でした」と勝田選手が語ったことに驚くほど、他を圧倒するスピードを披露します。デイ3では8本のSS中5本をベストタイムでまとめ、前日の総合9位から一気に6位までアップしました。

ラリー最終日のデイ4では、2本のSSベストをマーク。計10本のステージベストを獲得し、最終的に総合5位まで順位を上げフィニッシュしました。チームメイトでもある8度の世界王者セバスチャン・オジエ選手や、タイトル2連覇中の現ワールドチャンピオン、カッレ・ロバンペラ選手も「今回の最速は間違いなくタカだった」と語っているように、ライバルも認めるほどの速さを全世界に証明したラリーとなったのです。

しかし、当の本人はまったく納得できていないようで「ラリー後1週間経っても悔しくて仕方ないです」と、インタビューに応えています。この悔しさは、来シーズンに必ずつながる結果。今後の活躍に期待したいところです。

そんな勝田選手ですが、来季の活動も発表されています。前述のカッレ・ロバンペラ選手が、来季のWRCにフル参戦しないことを表明したため、ついにレギュラードライバーへ昇格。トヨタはドライバーラインナップこそ変わらないものの、フル参戦はエバンス選手と勝田選手の2名に、オジエ選手とロバンペラ選手をイベントごとに交代で起用するという参戦方式に変わります。

トヨタにとっては3つのタイトルすべてを獲得し、ジャパンのリベンジも果たせてこの上ないシーズンとなった2023年。来季は今年のようにうまくいくとは限りません。ヒョンデチームも強力なドライバー陣で対抗してきますので、王座争いが今年以上に楽しみなシーズンになるでしょう。勝田選手の活躍も含め、24年のWRCも毎戦目が離せない戦いが続きそうです。

<文=青山朋弘 写真=Redbull>


この記事を書いた人

TomohiroAoyama

青山朋弘

新車専門誌、中古車専門誌、モータースポーツ誌などの編集部を経て、
現在はフリーランスの編集&ライター。
自動車専門誌やWebサイトに寄稿しながら、YouTube動画の撮影・編集も行う。
愛車は10年前に走行5万kmで見つけた、NA型ロードスターの初期型。
趣味のMTBをどうやって積むのがいいか、常に試行錯誤している。

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